世界青年平和会議へのSGI会長のメッセージ
2015.09.07 聖教新聞
世界青年平和会議へのSGI会長のメッセージ
いかに世界が混迷を深めようとも、青年の熱がある限り、希望はある。
いかに現実が厳しさを増そうとも、青年の力がある限り、未来はある。
「戦争の世紀」から「平和の世紀」へ、「悲惨の世紀」から「人道の世紀」へ、人類の宿命を転換しゆく偉大な使命を担い立つ、大切な大切な、わがSGI(創価学会インターナショナル)青年部のリーダーの皆さん!
本当に、よく集ってくれました。
原爆投下から70年――。
ここ永遠の平和の都・長崎の地より、断固たる「不戦の誓い」「核廃絶の誓い」を胸に、時代変革のスクラムを広げゆく本日の会議は、幾重にも歴史的な意義を帯びています。
地元・長崎、また九州をはじめ、尽力してくれた皆さん方に、心から感謝申し上げます。
私たちSGIの平和運動の原点は、第2次世界大戦中、日本の軍国主義と戦われた、牧口先生の壮絶な獄中闘争にあり、戦後、その遺志を受け継いで立ち上がられた、戸田先生の地球民族主義の連帯にあります。
1957年9月8日、戸田先生は、歴史的な「原水爆禁止宣言」の中で、厳然と叫ばれました。
「核あるいは原子爆弾の実験禁止運動が、今、世界に起こっているが、私はその奥に隠されているところの爪をもぎ取りたい」
この「原水爆禁止宣言」が発表された翌年の1958年11月、私は、恩師の烈々たる核廃絶への獅子吼を胸に、念願の長崎の地を初めて訪れることができました。
そして、長崎支部の結成大会で、原爆の非人道性を訴えながら、広宣流布という平和の大道を勇んで切り開くことを、長崎の草創の同志と共々に誓い合ったのです。
尊き長崎の友は、戸田先生のご遺命である「核兵器なき世界」の実現へ、被爆体験の継承活動をはじめ、不屈の平和行動を一つまた一つと、堅実に粘り強く積み重ねてこられました。
本年には、9冊目となる被爆証言集「語りつぐナガサキ」を発刊されました。日本語と英語が併記された本書は、大きな反響を呼んでいます。
戸田先生の宣言の立脚点が、「世界の民衆の生存の権利」にあったように、SGIの平和運動の眼目は、いずこの国の民衆であろうと、生命と尊厳が脅かされることのない世界を築くことにあります。
被爆者の心を受け継ぐ長崎・広島の青年部、そして各国の青年部の皆さんの奮闘によって、平和の問題をはじめ、貧困や人権、環境や災害など、人類共通の課題に取り組む行動の輪が、それぞれの地域社会から大きな広がりをみせる中、世界の識者の方々も強い期待を寄せてくださっています。
私が対談集を発刊した、アルゼンチンの偉大な平和活動家で、人権の闘士・エスキベル博士も、その一人です。
昨年来、アルゼンチンの青年部が真剣に進めてきた核兵器廃絶への署名に真っ先に応じてくださった博士は、SGIの友が、地域社会に飛び込み、貢献を果たしながら、人々の「笑顔」を創り出してきたことを高く評価して語っておられました。
「人間の美しさは、苦難に負けない『笑顔の輝き』です」と。
戦争や核兵器の恐怖に覆われた世界を生み出す「非人間性」の対極にあるものは何か――。
それは、不信を乗り越え、未来を自分たちの手でつくり出そうとする人間の希望の笑顔であり、なかんずく青年たちの笑顔の輝きなのであります。
私たち創価の民衆運動は、人間生命の尊厳を傷つけ、人々を不幸に陥れる、あらゆる形の暴力や差別、そして魔の働きと戦いながら、この地球社会に、民衆の歓喜と希望に満ちた「勝利の笑顔の花園」を広げる挑戦にほかなりません。
まさに、人間生命の善性を薫発し、その無限の可能性を開き、さらに強めながら、平和と共生の社会を建設しゆく挑戦――すなわち「民衆の民衆による民衆のためのエンパワーメント」ともいうべき人類史を画する大運動であり、壮大なる人間革命の劇なのであります。
日蓮大聖人は、「喜とは自他共に喜ぶ事なり」「自他共に智慧と慈悲と有るを喜とは云うなり」(御書761ページ)と仰せであります。
わが友、わが家族、そして多くの人々の幸福に尽くしながら、共に手を取り、智慧と慈悲のスクラムを広げゆく中にこそ、人間としての本当の幸福があり、歓喜があり、勝利があるといってよいでありましょう。
アフリカの人道の大英雄・マンデラ元大統領は、こう語っています。
「最も強力な武器とは、暴力ではなく、人々に語りかけること――対話である」と。
わが後継の青年部の皆さんは、地球上から悲惨の二字を無くしゆく、「平和の文化」の旗手として、心開かれた勇気ある対話で、わが地域、わが社会から、揺るぎない信頼と友情の絆を創り開いていってください。
そして、本日の会議を、SGI平和運動の「第2章の開幕」を飾る、新たな出発点として、異体同心の連帯で、力強く前進していってください。
SGIの青年部、万歳!
尊き平和と人道の連帯、万歳!
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