【指導要言集】文化と社会 〜現代社会と人間〜
公開日:
:
指導要言集(昭和43年10月12日初版)
現代の世界は、物質文明の進歩によって、物質的な生活レベルは、著しく向上してきた。かつては、飢えと貧困にあえいでいた下積みの大衆が、いまでは、かつての王侯なみの食衣住を満喫している。これは文明の進歩の偉大なる収穫である。だが、その反面、人間らしい生活感情、相互扶助の連帯意識は、次第に消え失せ、表面上の物質的なうるおいに反比例して、内心の精神生活は、不毛の砂地のようになっている。のみならず、人間的倫理に代わって、動物的な弱肉強食と、むきだしにされた欲望とが、支配するようになってきたのである。――御義口伝講義
現代人は、人生、社会に対してただ消極的に反応するだけの、弱々しい人間となりつつある。人間同士の関係も、情緒豊かなうるわしい関係が次第に失われ、義務的で、機能的なつながりが支配的となってしまった。いわゆる”人間(にんげん)疎外(そがい)”といわれる、人間の主体性喪失の現象である。それは、また人間一個の生命の尊厳が弱められ軽視されている風潮でもあろう。――科学と宗教
関連記事
-
-
【指導要言集】文化と社会 〜歴史の主体者〜
時代は変わる、必ず動く。先駆者は、いかなる苦難にもめげず、次の時代の建設を、確信しきることである。―
-
-
【指導要言集】指導者 〜指導者〜
指導者 指導者はつねに、正しき理念と実践力を持たねばならない。ーー巻頭言 指導者は、名聞
-
-
【指導要言集】中道主義 〜魔の所業〜
現今の地球を包む魔の力は厚い。たとえば、限定戦争という調法(ちょうほう)な言葉を発明して、戦争をやっ
-
-
【指導要言集】信心 〜認識と評価〜
知識人として、認識せずして評価するのは大なるあやまりであり、恥である。――講演 批判のための批
-
-
【指導要言集】人生観 〜信用〜
すべてに信用をつかむことだ。それが自己の勝利であり、広布の勝利と知れ。――日々の指針 信頼と尊
-
-
【指導要言集】人生観 〜人間の本質〜
人間の本質 どんな境遇におちようと、私という人間の本質が変わるはずはない。ただ、世間の人々の眼
-
-
【指導要言集】青年 〜雄弁〜
雄弁 大事なときに叫ぶことこそ、本当の雄弁ではないかと思う。ーー講演 雄弁とは決して口数
-
-
【指導要言集】人生観 〜油断〜
戦いに臨んでは、一瞬の油断、小さな失敗が非常に大きな影響をもつ。――講演 最も恐るべきものは、
-
-
【指導要言集】人生観 〜栄光〜
いかなる栄光も、自らの血と涙と汗で勝ち取らずして、真の栄光と呼ぶことはできぬ。 他人の血と涙と汗に
-
-
【指導要言集】広宣流布と組織 〜広宣流布〜
創価学会は広宣流布という偉大なる使命をおびた団体である。―-講演 久遠の本仏と久遠の衆生が相ま
- PREV
- 【指導要言集】文化と社会 〜現代の特質〜
- NEXT
- 【指導要言集】文化と社会 〜人間性の尊重〜