*

『私の人間学』 「不惑」を生き抜く力――シュバイツァーの原動力(P40~)

(抜粋)

 つまり、すべての面で、しだいに行き詰まりが生じ、未来への希望が失われるようにみえる年代が四十代といえよう。それにつれて、理想、信念に向かっていちずに突き進もうとしていた青春時代とは異なり、現実をうまく泳いでいこうとする狡(ずる)さに傾斜していきがちである。こうした一番危ない年代が四十代であるといっても過言ではない。
 概して、二十代というのは清らかである。三十代になっても、まだ純粋さがある場合が少なくない。四十代になると、人生の一つの岐路にさしかかり、濁りを生じてくることが多いようだ。そして自分で自分をどうしようもできなくなることがあまりに多い。
 
(中略)

 自分自身が向上心を失ったところに、惰性や老化が始まる。また文句や愚痴を言っている人には感激がない。自らの生命をしだいに暗くし、閉ざしてしまう。そして心はすっきりせず、自分も複雑にし、人々をも複雑にしていくだけである。
 自分を限りなく、どう成長させていくかという課題をもつこと。そして、それを生み出す原動力としての生きがいを持つこと。そこに年齢の進行とともに生まれる停滞を打破して、真に人生を”生き抜く力”があるといえる。生命内奥の息吹をわき立たせてくれる充実した目標と目的観、そして、豊かな生命力と想像力に恵まれた世界を持てる人こそ、幸福者といえるのではないだろうか。

関連記事

【指導要言集】信心 〜理論と実践〜

大聖人の仏法は事行の一念三千であり、実践があくまでも主体である。すなわち、実践のための理論であり、理

記事を読む

【指導要言集】指導者 〜人材育成〜

人材育成 人材育成の基本的条件は、 第一に、多少不安や力不足があっても、この人を将来立派な幹

記事を読む

【指導要言集】信心 〜行動〜

結論を先に決めて、その目標に全力をあげて、努力すべきである。それが戦いである。そのために、綿密な企画

記事を読む

三色旗

第六十七回本部幹部会『「人間革命」の無上道を漸進』〈平成5年6月15日、創価国際友好会館〉

○指導者は、知道者、開道者、説道者たれ  目には見えないが、大空には「鳥の飛ぶ道」がある。大海

記事を読む

【指導要言集】信心 〜仏道修行〜

正しい仏道修行は、全人類の平和、一国の繁栄を願う祈り、精神、実践でなくてはならない。――立正安国論講

記事を読む

三色旗

インド創価池田女子大学第16回入学式

2015.09.05インド創価池田女子大学で第16回入学式 新入生570人が出発 SGI会長

記事を読む

【指導要言集】信心 〜信心の在り方〜

根本は、大御本尊に強盛な祈りをなし、勤行をしていくことで、これは個人の自転である。学会活動、王仏冥合

記事を読む

【指導要言集】指導者 〜師弟〜

師弟 人生にあって、最大の幸福は、生涯の師をもつことであろう。師をもたぬ人生ほど不幸なことはな

記事を読む

【指導要言集】人生観 〜尊敬〜

尊敬 人を尊敬してゆかなくてはならない。尊敬する人は、人から尊敬される。ちょうど、鏡の前に立っ

記事を読む

【指導要言集】指導者 〜心構え〜

心構え 自己との厳しい戦いなくして、偉大なる新時代建設の人材は生まれない。苦闘のなかにこそ、真

記事を読む

no image
【指導要言集】文化と社会 〜法の運用〜

憲法は国民が守るべき国の基本法である。その改正は、国民の総意にもとづく

no image
【指導要言集】文化と社会 〜制度と機構〜

池に大石を投げる――そこには必ず波紋が生ずる。現代社会機構もまた、同じ

no image
【指導要言集】文化と社会 〜人間性の尊重〜

民衆は、各自の人間性が尊重される社会を理想とする。――政治と宗教 人

no image
【指導要言集】文化と社会 〜現代社会と人間〜

現代の世界は、物質文明の進歩によって、物質的な生活レベルは、著しく向上

no image
【指導要言集】文化と社会 〜現代の特質〜

私は人類史の流れから見て「現代」の時代的本質は、無知と貪欲に支配された

→もっと見る

PAGE TOP ↑